六義園は、日本庭園における築造技術が頂点を極めたとされる江戸時代に築造され、現在に至りますが、紅葉をはじめとする日本の春夏秋冬を存分に味わえる回遊式築山泉水庭園は池をめぐる園路からその景色が楽しめます。
江戸期を代表する歴史ある日本庭園として、現在は国の特別名勝として指定されていて、小石川後楽園と並ぶ江戸の二大庭園とされている六義園。
しかも期間限定でライトアップされた紅葉と池の水面とのコントラストは妖艶でいて幻想的な景色は一見の価値あり!そんな素晴らしい六義園の紅葉を楽しむポイントをご紹介していきましょう。
六義園の紅葉をおすすめするポイント
都内に数ある紅葉スポットの中でも、歴史が古く造り込まれた六義園。
一度行ったら、他の季節にも足を運んでみたくなるような、魅力のある庭園のおすすめポイントは・・・
- JR山手線 駒込駅からも、都営地下鉄三田線「千石」 からも10分前後歩けば紅葉が目の前に。
- 夜のライトアップで池に写る紅葉は必見です。
- 園内には小高い峠があり、そこから園内を眺望できる。
- 周辺に紅葉スポットがたくさんある。
- 歴史が感じられる日本庭園が見られる。
- 茶屋や休憩所が何ヶ所か設けてあり、時間をかけてゆっくり散策できる。
- 四季を通じで色々な風景が楽しめる。
六義園のライトアップは息をのむ美しさ!
六義園は四季折々で楽しめる日本庭園として人々に癒しを与えてくれます。訪れる度に違った印象を与えてくれるのは、そこに知られざる歴史があるからではないでしょうか。
そんな歴史的価値がある六義園は紅葉の見方を様々な角度から楽しめるように造られた、見る人をかつていにしえの人々も楽しんだであろう景色を彷彿とさせてくれることでしょう。
庭園には大泉水のまわりを囲むように多種多様な樹木が生い茂り紅葉の季節になると、その樹木にしか出せない葉の彩りは、まるで艶やかな錦絵を見ているようです。
また、池の水面に映る黄色や赤のグラデーションが見ごたえがあるのは晴天ばかりではなく、曇りでも雨でもその時にしか見れない趣のある風情を時間を忘れて楽しむことができますよ。
そして、その景観は昼間はもちろんのこと、日没から始まるライトアップが醸し出す幻想的な雰囲気は、都会にいる事を忘れてしまうほど!うっかりすると異空間を彷徨っている錯覚に陥るかもしれませんね。
六義園を楽しむための予備知識!
六義園の「六義」とは、 中国最古の詩篇である詩経にある漢詩の分類法で、3とおりの体裁の「風・雅・頌」と、3とおりの表現、「賦・比・興」からなっていて、平安時代の歌人として知られる紀貫之はこれを用いて和歌の六体の基調を表したといわれています。
先にも少しだけ六義園の歴史に触れましたが、 柳沢吉保の文学的造詣の深さが繊細で温和な日本庭園を生み出したと言っても過言ではありません。
趣味と嗜好で類を見ない造りは好評を博し、将軍綱吉は58回も訪れたというから驚きです!そんな素晴らし庭園の魅力に引き付けられたのは綱吉ばかりではなく、なんと8代将軍の徳川吉宗も六義園を訪れていた記録があるようです。
岩崎家とのつながり
国の特別名勝の六義園ですが、江戸時代に頻発した火災にも運よく逃れたものの、時の経過ととも景観も荒廃しつつあったのを明治時代になると現在における日本の三大財閥の一つ、三菱財閥の創業者である岩崎弥太郎が庭園を買取ったあと、家を挙げて整備にあたったと伝えられています。
当時の財力をもって買取った土地の広さは、なんと12万坪!その中には六義園のほかに旧華族の屋敷などもあったようです。
岩崎弥太郎の人柄が垣間見れるのが「個人の楽しみ」だけではなく「国家の役に立つこと」を考えての購入だったそうですから、歴史と共に歩んできた庭園を文化財として残そうという意志があったのだと思われます。
ですが、弥太郎がどの様な手入れをしたのか確かな記録は残されていません。六義園の本格的な修復を手掛けたのは弥太郎の死後、弟の岩崎弥之助だと言われているんです。
また、当時の記録によると明治38年に岩崎家は、日露戦争から凱帰した当時の連合艦隊司令長官を務めた東郷平八郎、将兵の六千人を六義園に招待して戦勝祝賀会を開いたとか。何とも威勢がいい話ですね。
その後、六義園は弥太郎の長男である久弥の邸宅としてしばらくの間、使われていたようです。
ですが時代の流れには逆らえず、明治43年に駒込駅が開業するにあたり、現在の山手線の駒込駅と山手線の線路がはしる土地は、かつて岩崎が所有していた土地を売却したものだと伝えられています。
最終的に岩崎家は昭和13年に、庭園を中心とした約3万坪を当時の東京市に寄贈することとなったのですが、その寄贈があったからこそ、これまでの功績と素晴らしい庭園を私たちは楽しむことができるのです。
また、寄贈の記念として六義園の入り口近くに石碑が建てられ、六義園の成り立ちなども記されていますので訪れた際は是非、ご覧になってください。
六義園で楽しめる四季折々の木々や植物・・・ツツジ類・ マツ類・モミジ・タイサンボク・ケヤキ・イイギリ・ミズキ・クスノキ・スダジイ・サツキ・シダレザクラ・ サクラ・ムラサキシキブなど。
六義園の紅葉の見ごろと入園料など
紅葉の見ごろ
例年、11月下旬ごろから12月上旬にかけてとなってます。
毎年気候の関係で前後しますので、詳しい紅葉の時期が知りたい方はホームページなどで確認されることをおすすめします。
開園時間ならびに、ライトアップ
通常の開園時間は9時から17時までですが( 駒込駅から徒歩2分の染井門が開門しています) 、紅葉の時期はライトアップ共に21時まで。
最終入園は20時30分まで可能ですが、16時30分以降は安全の確保のために立ち入りを制限される区域があるそうです。 全体を隅々までご覧になりたい方は、少し早めに入園されるといいでしょう。
・住所:東京都文京区本駒込6丁目
・交通手段
>JR山手線・東京メトロ南北線「駒込」(N14)下車 徒歩7分
>都営地下鉄三田線「千石」(I14)下車 徒歩10分・入園料
一般 300円
65歳以上 150円
*小学生以下および都内在住・在学の中学生は無料
*20名以上の団体は一般240円、65歳以上120円・庭園ガイド(無料)
11時と14時の2回(60分程度)
*集合場所はサービスセンター前および染井門売札所前です。
気になる混雑状況
人気の紅葉スポットですから、紅葉シーズンはチケット売り場から並ぶ覚悟で!(30分から1時間)。園内でも列になって歩く事となり、ゆっくり見れますが混雑が考えられますので、行かれるなら平日か平日の夜遅くが良いでしょう。
また、シーズン中は混雑のため、思ったように写真撮影出来ないかもしれませんので、どうしても写真に残しておきたいと言う方は、こちらも平日の夜遅くがいいかもしれません。 (最終入園は20時30分ですのでご注意ください!)
三脚の使用は禁止
しっかりとした写真撮影は許可が必要になるようですから、申請しされることをおすすめします。
六義園周辺の紅葉スポットを散策しよう!
六義園を楽しんだその後に、ちょっと足をのばして周辺に点在する紅葉スポットを散策してみませんか。それぞれに違った紅葉が見られて、楽しい秋のひと時が過ごせますよ。
- 駒込富士神社・・・六義園から0.5km
- 染井吉野桜記念公園・・・ 六義園から0.5km
- 根津神社・・・六義園から0.9km
- 吉祥寺・・・ 六義園から0.9km
- 白山神社・・・六義園から1.2km
まとめ
春の桜も素晴らしいですが、気温によって変化し、色とりどりの葉を茂らせる紅葉を愛でるのも良いものです。六義園の歴史的背景を知ったうえで訪れると、紅葉だけではなくまた一味違った楽しみ方ができますね。
それでは、いつまでも美しい景色を守るためにルールに従って紅葉をお楽しみ下さい。
参考:これなら楽しい!節約生活でもストレス発散できる遊びは?