えっ!日本の就活って世界から見ると気持ち悪いと思われているの?
日本の卒業を控えた学生さんを悩ませる就活。実はこのスタイルは日本だけなのです。
どうして国際的に見て「気持ち悪い」と思われてしまっているのでしょうか?日本の就活スタイルについて考えます。
日本の就活って気持ち悪い?
まず、日本の就活が気持ち悪いかどうかの前に今のようなスタイルの就活の歴史についておさらいしてみます。意外と就活がいつからあるのか、なんて知らない人も多いかもしれませんね。
今のような新卒の一括採用スタイルが始まったのは、なんと明治時代。明治に入ってすぐには、大学を出るとほとんど国家公務員(政府など)や教員になる人が多かったのですが、次第に大手企業が力を伸ばしてきました。
そこで、企業も優秀な人材が欲しいので新卒の学生を積極的に採用するようになりました。しばらくする今ほどではないにしても、大学の数が増えてきたので、選考試験を課すようになります。これが少しイメージは違いますが、今のような就活のはじまりです。
今ほど学生が多くないので、イメージが少し違うという面はあるものの新卒の一括採用はおよそ100年の歴史があるといえます。そして、戦後には人材の獲得競争が激化してきたので企業側と大学側で選考の開始日を決める「「就職協定」ができました。
しかし、企業側がその日を守らないケースが多すぎたため、(フライングなど)廃止になってしまったのです。
今就活をしている、これからしようという人なら何となくイメージできるかもしれませんが、開始日がわからないことは学生にとってもとても不便なこと。出遅れないようにするタイミングがわからなくなってしまうのです。
そこで、経団連が「内定は4年生の10月から」という風に決めました。これでほぼ今の形の就活システムが完成です。
さて、何が気持ち悪いといわれているのかについてです。海外では新卒の一括採用はほぼありません。
国によりますが、日本ほど早く就活に時間を割く国というのはあまりなく、基本的には卒業間近や卒業後に自分で希望する会社に連絡を取るというスタイルが一般的です。
卒業後、アメリカの学生を例にとると、インターンシップやボランティア活動などに時間を使います。日本でのインターンよりもさらに就職のためという意味では濃い内容です。期間も1ヶ月以上と長く、実際にスキルを身に付けたり、社員とのつながりを作るという意味が主になります。
それに比べると、日本では「新卒で就職できなければおしまいだ・・・」というような風潮がまだまだ色濃いのが現状です。
「新卒」というある種のブランドを守るために、本当なら進級・卒業できるところを敢えてしないで留年したりする人がいたりと、「新卒」がある種のブランド化されているところが「気持ち悪い」と感じる人の多い所以でしょう。
日本の就活スタイルは新卒一括採用により、研修が充実しているという長所もあるのですが、この「新卒」の時しかチャンスがないといような風潮が国際的に見ると独特だといえるのです。
今後就活は変わっていく?
100年近く伝統的に続いてきた新卒の一括採用。このシステムがすぐに大きく変わることはないでしょう。
しかし、企業によっては柔軟な採用姿勢を取っているところも増えてきています。
春に一斉に入社するというスタイルではなく「通年採用」という形で人材を採用する会社も増えてきているのです。
通年採用というのは、条件に合う人がいれば時期を問わずに採用するというシステムのこと。今までの新卒の学生が春に一斉に入社するスタイルとはだいぶ違った考え方ですね。
現在の日本では、海外との関わりが大きなウェイトを占めてきています。そのため、今は新卒一括採用が主流でもしだいに通年採用のような柔軟な採用の仕方をする会社が増えてくると考えられます。
参考:就活で健康診断書はどのタイミングで必要?項目は何がある?
就活に嫌気がさしたときは?
新卒一括採用の波に乗れなかったら、それで終わりなのでしょうか?実はそんなことはありません。
大企業といわれるところに最初からうまく入社できても、実はその企業に合わなかったりして、退職してしまうこともよくあります。つまり就活に成功することが人生に成功するということとイコールではないということです。
「本当に今就職したい会社がある?」というところから自分の心に問い直してみてくださいね。その上でやっぱり今どうしても就職したい企業があるということなら、就活を続けてみてもよいでしょう。
反対に、常識といわれていることを抜きにして考えると「本当は今就活したい訳ではない」と気が付いてしまったら、一度就活をお休みして考え直すことをおすすめします。
中途半端な気持ちでどこかに入社できたとしても、そこではきっと成長できないし、何かあった時に後悔しか残らないからです。
まとめ
日本の今のような就活スタイルは、明治時代に原型ができて100年ほどの歴史があります。
しかし、海外の学生や企業から見ると「気持ち悪い」と感じられてしまうことも。
その理由は「新卒のブランド化」と「新卒で就職することこそが当たり前」といった社会通念だといえるでしょう。
もし、今就活をしていて違和感を感じているのなら一度立ち止まって考え直してみるタイミングといえるのかもしれません。
参考:どれだけやれば正解?就活でのエントリー数の平均ってどのくらい?