もうじきお彼岸の時期ですね。今年こそは…とお墓参りをしてご先祖様に近況を報告しようと毎年思っているものの実際は忙しいことが理由でなかなかお墓参りできていない、という方。
今となってはお墓ではなく納骨堂に、という家庭も増えているようで、「お彼岸」という行事を知らないという人もいることでしょう。
今回はお彼岸について詳しく解説していこうとおもいます。忙しいという方は、ひょっとしてお墓参りのしきたりとかがよくわからなくて、なかなか行く気になれない、という人もいるのではないでしょうか。そういった方にもわかりやすくお墓参りでのマナーやお布施について詳しく解説していきますね。
お布施の金額の相場
お彼岸の期間にお墓参りをすることだけがお彼岸の行事ではありません。「彼岸会(ひがんえ)」という法要があり、僧侶の方にご家族の方の供養をしていただくこともあるのです。
その法要を執り行ってもらうお寺に、お布施という形でお礼を渡すのですが、読者の皆様はどれくらいお布施を渡せば失礼がないか気になることでしょう。多すぎても少なすぎても周りから浮いてしまうことでしょう。というわけで今回は相場をまとめました。
- お寺で彼岸会を執り行って貰う場合・・・3,000-10,000円ほど
- 自宅で個別に彼岸会を執り行って貰う場合・・・30,000-50,000円ほど
ただし、こちらはお寺からご自宅までの距離によってお車代を別途に3,000-5000円ほど包むことが一般的です。というのが大体の相場となります。あくまでも一般論であって、お寺との関係や地域、宗派によって微妙に変わってくるケースもあるので、家族の人や地域の人にあらかじめきいておくのがベターでしょう。
お布施の用意の仕方と渡し方
一般的に、半紙や中袋にお札を入れて、たとう折りという奉仕紙で慶事の際の上包みの折り方でたたむ方法が丁寧だとされています。
ただし、奉仕紙ではなく、市販の無地の白い封筒でも問題はないようです。お布施の表書きには「お布施」と普通の墨で書きましょう。これは一般論ですので必ず宗教や地域ごとに差があり、それぞれ確認が必要ですので気をつけてくださいね。
渡し方にもさまざまな方法があり、他のご家庭とともに行う彼岸会の場合、受付がありますので、そこで担当の方に渡すことが一般的で、受付がないのなら直接僧侶の方に渡すこともあります。
参考:お彼岸法要やお盆でのお布施金額の相場は?正しい包み方とは?
法要の前か後かはどちらでも構わないようです。自宅で渡す場合は小さなお盆に乗せて渡したり、お寺での場合は袱紗(ふくさ)を使って渡すなど、渡し方には気を配りましょう。
そもそもお彼岸って何?
彼岸とは、仏教の世界で、煩悩と迷いの世界である此岸(しがん)にあるものが後述する六波羅蜜(ろくはらみつ)の修行を経ることで達することのできる悟りの世界のことをいいます。
太陽が真東から昇って真西に沈んで昼夜の時間の長さが等しくなる春分の日と秋分の日を中心にしたある期間のことを彼岸と呼んでいて、この期間中に仏様の供養をすることによって極楽浄土に達することができると信じられてきました。
あらためて、お彼岸の期間としては
- 春彼岸:毎年3月の春分の日を挟んで前後3日合計7日間
- 秋彼岸:毎年9月の秋分の日を挟んで前後3日合計7日間
それぞれの初日を「彼岸の入り」、終日のことを「彼岸のあけ」と呼んでいて、春分の日、秋分の日はお彼岸のちょうど中間の陽に当たるわけですから「お中日」と呼んでいます。
それぞれこの期間にお墓にお参りして、お墓を掃除したり、お供え物をするなどしてご先祖様やご家族を供養する行事になりますが、お墓参りだけが「お彼岸」の行事ではありません。
先に少し述べましたが、「彼岸会(ひがんえ)」という法要がお寺で行われ、僧侶の方にご先祖様やご家族の方の供養をしていただくこともあるのです。
彼岸会ではなくなった方の供養をするとともに、六波羅蜜の教えを身につける行事になります。この教えを身につけることで悟りの世界に到達することができるとされています。
六波羅蜜の具体的な内容は、
- 布施・・・他人に尽くすこと。
- 持戒・・・悪事をはたらくことなく、善事をして人間らしさを高めること。
- 忍辱・・・不平不満を言わず、辱めにも耐えること。
- 精進・・・何事も努力して励むこと。
- 禅定・・・心の静けさを失わないこと、冷静でいること。
- 智慧・・・ありのままの姿でいること、真実にむきあうこと。
という内容で、僧侶の方が教えてくれます。
まとめ
お彼岸はご先祖様を忘れないための行事であるとともに、自分をよりよい存在にするための行事でもあります。
とはいえ、お彼岸が何かわからない、あるいはどんなしきたりがあるのか、と迷われる方も多いですよね。
今回紹介した内容である程度は網羅できるのでぜひとも参考にしてくださいね。