擦り傷ってどこかで引っかいてしまったり転んで怪我をした時や、日常生活の思わぬところで知らないうちに出来ていることもあったりする不快なものですよね。
絆創膏を貼りっぱなしていると治りが悪かったり、傷跡が出来てしまうこともある擦り傷ですが、意外な治し方で「ラップ」を使う方法があるんです!
今回は、擦り傷の治し方に最適なラップの実際の使い方や治療の方法、手順などを詳しく説明しますので、いざというときにお役立てくださいね。
実は間違っていた!一般的な擦り傷の治し方
擦り傷は転んだりしても出来るので、子供から大人まで必ず一度は作ったことがあるはずの怪我ですよね。
そのときって大体みんな「消毒して、傷口乾かして!」と言われて、そのあと絆創膏やガーゼで押さえていたはずなんですが、実はその「消毒」も「擦り傷を乾かして絆創膏やガーゼを貼る」という治し方もぜーんぶ、間違っていたんです。
怪我をして出来た擦り傷は、まず血が出てくるのですが、血が止まったあとの傷口ってちょっとジュクジュクしていますよね。
このジュクジュクを乾かさないと膿んで余計に酷くなると考えられていたので、「乾かさないと!」っていうのが常識となったわけなんですが、このジュクジュクには擦り傷を治す大切な役割があったんですよ。
人間の身体って案外自然に擦り傷を治すように出来ていて、この傷口からジュクジュクと滲み出てくる液体には傷口を塞ぐ「血小板」が含まれているんです。
つまり、ジュクジュクを乾かしてしまうと血小板もなくなってしまうので、傷口を塞ぐのが遅くなり、乾燥することでかさぶたが出来てかゆみが発生してしまうのですね。
また、消毒をするのも誤りだという理由には、強い殺菌作用のある消毒薬を使うことで、雑菌だけでなく身体にとって良い菌(善玉菌)まで消滅してしまうので、擦り傷の治りが悪くなってしまうんですよ。
身体の自然治癒能力を頼れば、本当に悪い菌だけをやっつけてくれるので、下手に消毒薬を使わないようにということなんです。擦り傷を乾かさず、消毒薬も塗らずに自然治癒の力を最大限に引き出すことが跡を残さず早く治療する治し方というわけですね。
この治療法は乾かさないでわざと傷口から浸み出す液体を使う「モイスチャーヒーリング(湿潤療法)」といって、現在は医療の現場でも当たり前のこととして実施されているんですよ。
そして、実はこの医療の現場で行われている擦り傷の治療法を、自宅でも簡単に実践できるのがラップを使った治し方なんです!
参考:擦り傷や切り傷の跡を残さない治し方とは?女性は必見です!
傷跡もなくなるラップでの超簡単な擦り傷の治し方
それでは、ラップを実際に使った擦り傷の治し方の、手順や方法をご紹介しましょう。
ラップを使う場合、今までの消毒をしたり絆創膏やガーゼを貼るといった手順は一切しなくて良いので、すごく簡単ですし、利用するラップは食品用のもので良いんです!(できるだけ医師や専門家の指示を仰いでください)
それでは、ラップを使って擦り傷を治す手順なんですが、まずは擦り傷を負ったら、まずは傷口を水道水でサッと洗いましょう。
それからある程度血が止まったことを確認したあと、擦り傷のある場所の周辺から全体にラップをかぶせて、サージカルテープ(医療用のテープ)などで固定します。
このとき、傷口自体にテープがかからないようにラップは少し大きめにスペースをとり、隙間から空気が入らないようにぴったりと貼り付けてくださいね。
もし、サージカルテープが自宅になければ絆創膏での固定でも大丈夫なので、とにかくラップを剥がすときに擦り傷周辺の肌を傷めてしまわないように気をつけましょう。
擦り傷からはジュクジュクとした液体が出てくるのですが、必ず拭いたりせずに上からラップを被せ、ある程度浸み出すのを待ちます。
また、このときどうしても液体が気になるという場合は、「ワセリン」で保護すると保湿されるので一層安心ですよ。
ラップは擦り傷ができたあと1日2〜3回の頻度で交換しますが、交換のときにも傷口は水道水でさらっと洗うだけにして消毒などはしなくて良いんですよね。
傷口を水で流してラップを交換する、という手順をだいたい4日から1週間前後続けてみると不思議なことにかさぶたも残らずに擦り傷が綺麗に治っちゃうんですよ!
しかも、ラップは湿った部分には貼り付かないという特性があるので、交換するときなどにも痛みがほとんどないという利点もあるんですよね。
参考:切り傷から出るグチュグチュな透明の液体って何?応急処置の方法とは?
擦り傷を綺麗に治すために注意しておきたいこと
このラップを使って擦り傷を治す方法はとっても画期的なのですが、早く治すためにもやってはいけない注意点がいくつかあるのでご紹介しておきますね。
まず、傷口から出ているジュクジュクを拭き取らないことなども含めて触らないようにしてください。
アレルギーをお持ちの方は、食用用のラップを使っても基本的には問題なく効果的だといわれていますが、ラップのほか絆創膏やサージカルテープなどの影響で周辺の肌荒れを起こすこともあるので、痒みが出たら使用を止めるようにしましょう。
また、このラップでの治し方は浅い擦り傷以外の怪我に使うと悪化させてしまう可能性もありますので、血やジュクジュク浸み出す液体が止まらない深い擦り傷のほか、大きな切り傷や火傷などには利用せず、きちんと医師の診断を仰いでくださいね。
参考:切り傷や擦り傷に絆創膏を貼って寝るのは良くない?自然乾燥が良いの?
まとめ
擦り傷の治し方にはラップが良い、ということでその理由や治し方の手順、方法などをご紹介しました。
最初はえっ「ラップ」ってあの食べ物を包んだりする「ラップ」!?って思った方も多いでしょうが、その効果は傷跡もなくなるほどで、ちゃんと医学的にも証明されているんですね。
目立つところだとラップを貼るのってちょっと恥ずかしいですが、跡が残らない方法なんだよと豆知識を披露する機会でもあるので、擦り傷ができたときにはぜひ試してみてくださいね!
参考:擦り傷や切り傷の傷口の治りかけがかゆいのは何故?薬は塗るべき?