春先になると車が何となく白っぽくなってしまったり、洗濯物が薄汚れたりと黄砂の被害は日本に住んでいる限り、避けることは出来ません。そんな黄砂ですが、いつ頃から飛んで来るのでしょうか?
そして、黄砂に覆われた山が霞んで見えるほど。ではこの黄砂とは一体どのような原因があるのでしょうか?人体への影響はどうなのか?
アレルギー患者が増える中、避けることが出来ない黄砂についてご紹介していきます。
黄砂が飛来する時期は?
中国大陸からやってくる黄砂が、日本に飛んでくる最盛期は春先の風が吹きやれる3月から4月にかけてですが、5月頃までは人へ何らかの影響が感じられるようです。
このように、日本のニュースなどでは3月から5月くらいまでの約3ヶ月間だけの「期間限定」と思いがちですが、実際には夏を除いて黄砂は常時、発生しているそうなんです。
ですから風が強く吹いてるときは、季節に関係なく飛来しているそうですから驚きですよね。
それが日本で3月から4月にかけて多くなるのは、大陸からの偏西風が影響していて、その風の方向や大気の関係で飛来してくる黄砂の影響を一番受けやすいのがこの時期なんですね。
ちなみに、最終氷河期の7万年前以降にはすでに黄砂が日本に飛来してる事を実証するデータが残ってるようです。
黄砂ができる原因は?
中国大陸を中心とした東アジアの内陸部にある砂漠だけででなく乾燥地帯の砂塵などが強風にのって砂嵐となり、そのまま上空まで吹き上げられ日本海上空を飛来して日本などの地上に降りそそぐと言うことです。
発生地となる有名な砂漠がタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠、黄土高原なのです。驚く事に、タクラマカン砂漠から風に乗ってやってくる黄砂は3000~4000kmもの離れた所から日本へやってくるんですね。
砂漠はテレビなどで見られるように一年中乾燥しています。一年の内で冬場の空気の乾燥が特にひどく、その影響で砂がより乾燥する時期といえます。
このように、水分がまったく含まれない砂は一層軽くなり、さらに強風に巻き上げられ上空まで舞い上がり各地へ飛来するのが黄砂という訳なんです。
毎年、黄砂が飛来してくる量が徐々に増えているという調査結果が出ていますが、その原因の最たるものが地球温暖化です。温暖化の影響で砂漠地帯がより広域になりつつあるからです。
それに拍車をかけるように、中国大陸の内陸部では温暖化の影響をうけて年間降雨量が激減したことで砂漠の砂がさらに乾燥するという悪循環に陥ってしまい、日本にとってはよそ事では済まされません。
人体への影響や対策は?
このように、環境や人体への影響が考えられる黄砂ですが、どのような影響があるのかをまとめてみました。
花粉症の症状と同様に人によっては黄砂でも目がかゆくなる事があるようです。目立つ症状として目の粘膜の結膜炎です。これにかかる原因として黄砂の主成分であるシリカが挙げられます。
このシリカが、鼻の内側の粘膜につくことで、アレルギー性鼻炎を起こしたり、もともと持病だったものが悪化することもあります。他に気を付けたいのが鼻や喉、器官など呼吸器系疾患の影響です。
ここで少し想像していてほしいのですが、砂を吸い込んでいる自分を想像すると・・・どうですか?想像できましたか?硬い砂の粒がデリケートな喉や気管の粘膜に付着して、気管支炎、ひどくなると完治が大変な喘息も引き起こしてしますのです。
また、ザラザラして黄砂が肌に直接付着すると、体にかく影響を及ぼす付着物の影響で、皮膚のカユミが出たりアトピー性皮膚炎を起こしてしまう事も考えられます。
そこまでの影響がなくても、普通の健康体の人でもまれに頭痛や咳などの症状が出ることもありますので、続いて辛いようなら医療機関で原因をキッチンと調べて治療されることをおすすめします。
このように、病気を引き起こしてしまう黄砂は、乾燥しているただの砂のように見えますが、実は色んな物質を吸着してしまう性質です。ですから飛来してくる地域によって様々な大気中にある不純物、汚染物質を付着してくることが原因になります。
それにも増して深刻な健康被害が心配されるPM2.5も最近よく観測されるようになり、現在の日本ではアレルギー疾患、呼吸器系疾患、アトピー性皮膚炎が増加傾向にあります。
対策として、黄砂の時期は不要な外出を避けて、仕事や学校などで外出が避けられない場合はマスクなどでしっかり予防して、帰宅したらうがい手洗い、洋服についた黄砂を玄関の外などで良く落とすことが大事です。
参考:お掃除ラクラク!窓を簡単にキレイにできる掃除の方法は?
黄砂の大きさや色について
黄砂は文字通り砂漠の砂が飛来してくるのですが、その砂の粒子は0.5μm~5μmほどの大きさです。数字を見てもピンとこない大きさですが、比較対象としてタバコの煙の粒子が0.2μm~0.5μmですから、人の目ではその大きさは確認できないほど小さいのです。
実際にそこまで小さいと地質学の分類によると、砂より泥(粘土)のような、とても小さな部類に入るそうです。
ですが、中国大陸などから飛来してくる途中で色んな付着物によって、日本の各地で観測された黄砂の粒子は1μm~30μmほどの大きさになっているそうですから、一体どのようなモノが付着しているのか心配ですね。
黄砂と聞いてイメージする色は?
黄砂と言うくらいですから、粒によって黄土色や黄褐色、赤褐色などの色に近い色味をしています。
黄砂が飛ぶ時期の外の様子は、粒子が小さくて濃度が低い時はミー散乱(光の波長程度以上の大きさの球形の粒子による光の散乱現象)の影響で白っぽく霞んだよう見えます。
一方、粒子が大きく濃度が高めの時は太陽の光が黄砂の粒子を透過、屈折するため黄褐色~赤褐色に見えるそうです。
まとめ
黄砂について書いてきましたが、黄砂は砂と思っていましたが砂ではなくタバコの煙より小さい泥の一種でしたね。
しかも春先だけではなく、風が強く吹く日はほとんどと言っていいほど飛来しているそうですから疾患がある人は特に気をつて頂きたいです。
黄砂はいわば、自然現象ですから防ぎようがありません。でも、普段からできる対策を心掛けていきたいですね。
参考:黄砂やPM2.5の影響は赤ちゃんには危険?対策するには?