みなさんは、「地蔵盆」という行事をご存知ですか?関東にお住まいの方には耳慣れない言葉だと思います。それもそのはず、「地蔵盆」は近畿地方、特に京都で盛んに行われている行事だからです。関東の方は、どんな行事なのか気になりませんか?ということで、今回はそんな「地蔵盆」についてお話ししていこうと思います。
京都地蔵盆のお供え物や金額は?
お供え物は何がいい?
一般的には、お菓子・お花、地域によっては「ホオズキ」をお供えします。「ホオズキ」は提灯に見立てたものだそうです。ちなみに、このお菓子はあとで子供たちが「お下がり」としていただくことになります。
お金を包む場合はどんな表書き?
金額は3,000円~5,000円が一般的です。ただ、地域によっては金額が決まっていることがあるようなので、それに従いましょう。お金を包む場合は、 熨斗のついたご祝儀袋を使います。水引は紅白の蝶結びですね。(黄白を使う地域もあります)表書きは上段に「お供え」「御尊前」「志」など、下段に名前 (フルネーム)を書きます。また、お賽銭の小銭は半紙包む程度でOKです。
お盆の季節、初盆だとわからないことだらけ、という方はこちら!⇒初盆で提灯の飾り方はどうすれば良い?もらった時のお返しは?
そもそも地蔵盆って何?
簡単にご説明しますと、お地蔵様をお祭りする行事です。よく、道で見かけるお地蔵様です。お子さんを見守ってくれている「道祖神」、これが「お地蔵様」です。「お地蔵様」は子供たちの守り神として信仰されています。近年では、地蔵菩薩の縁日である8月23日・24日で行う地域が多いようですね。
この行事は室町時代にはじまり、上記にあるように近畿地方、特に京都で盛んに行われています。ちなみに、関東で地蔵盆が定着しなかった理由に「お稲荷さん信仰」が広まっていたから、という説もあります。 スーパーなどでも、地蔵盆の時期には、関東では見慣れない「地蔵盆」ののぼりが立ち、「地蔵盆専用コーナー」まであります。近畿圏の方には欠かせない行事ということになりますね。
◆地蔵盆の主役は?◆
この行事を楽しみにしているのが子供たちです。というのも、地蔵盆の主役は子供たちだからです。地蔵盆の目的は、「子供たちの健やかな成長を願う」というものなのです。 地蔵盆では、大人が子供たちのためにお菓子や食べ物を用意する「接待」があります。美味しいお菓子や食べ物をいただけるというところが、まるでハロウィンのようですよね。確かに、子供たちが楽しみにするわけです。
◆地蔵盆ではどんなことをするの?◆
子供たちは住んでいる町や村のお地蔵様(地蔵堂)に集まり、僧侶による読経に手を合わせます。また、地域によっては「数珠回し」と呼ばれる行事に参加します。これは、直径2~3mの大きな数珠を子供たちが囲んで座り、読経に合わせてその数珠を順々に回していくというものです。
そして、大人たちがふるまう、お楽しみの食事やお菓子。近隣の子供たちが集まるのでそこから遊んだり、子供会などが開催するイベントがあったりと、子供たちがワクワクするようなことが盛りだくさんのようですね。この日、子供たちはいくら遊んでも怒られないということです。うらやましいお話ですね!また、夜には盆踊りを開催するところもあり、夏休みの最後を飾るにふさわしい行事となっています。
地蔵盆の準備やマナーはある?
大人たちはお地蔵様を洗い清め、カラフルな化粧をし、新しい前垂れをつけるなどして、お地蔵さまを飾りつけます。また、地蔵堂に提灯を立てたり、お供え物の準備をしたりします。京都の地蔵盆では、お子さんの誕生に合わせて、子供の健やかな成長を祈願して提灯を奉納するんです。男の子は白い提灯、女の子は赤い提灯が一般的なようですね。
また、「地蔵盆だから必ずこうするべき!」、という厳密なマナーはありませんが、地域で決められているしきたりなどがある場合はそれに倣いましょう。あらかじめ近隣のお宅に聞いておくといいですね。地蔵盆を通じて近隣の方たちと親しくなれる機会になるかもしれませんね!
いかがでしたでしょうか?今回は「地蔵盆」についてお話ししてきました。近畿地方以外に住んでいる方は、「楽しそうな行事だから、こちらでも行えばいいのに」と思ったかもしれませんね。先にも述べましたが、まるでハロウィンのような楽しさがあるようです。地域の大人子供の交流の場としても重要な行事ですね。地域のつながりが希薄になっている現代では、このような行事は貴重なものなのかもしれませんね。