食中毒といえば、生牡蠣、フグ、毒キノコあたりが有名ですが、鶏肉の食中毒も要注意なんです!なんせ近年、日本で増えている食中毒の種類として厚生労働省が重視しているくらいなんですよ!
鶏肉による食中毒ってなにが怖いの?
鶏肉による食中毒の正体はカンピロバクターという細菌です。その怖さは、何と言っても患者数がノロウイルスに次ぐ第2位なんですって!(厚生労働省調べ, 2012年)
そしてその症状は、下痢、腹痛、発熱、悪心、吐き気、嘔吐、頭痛、悪寒、倦怠感、と他の感染型の食中毒に似ているんですが、子供や高齢者といった抵抗力の弱い人で重症化の可能性が高いのだそうです。
さらに、恐ろしいのが、感染した数週間後に手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難などが起こるギラン・バレー症候群を発症する可能性があることです。うーん、恐ろしい…なんとしても避けたいですよね。では、その原因を知って対策を立てましょう!
熱が下がらない、そんなときはこちらの食中毒の対処法をどうぞ!⇒これって食中毒?どうすればいいの?熱が全く下がらない時の原因と対処法とは?
生肉が危険なんですって!!
鶏レバーやささみなどの刺身、鶏のタタキ、鶏わさなどの半生製品や加熱不足の調理品などが原因として2008年に60件もの食中毒が見つかっています。九州では鶏を生で食べる習慣がありますよね…また、昨今、美味しい居酒屋さんが増えていますが、そういったお店では新鮮な鶏肉を半生で提供して食感を楽しむ商品などを売りにしているお店もあるのではないでしょうか。私自身、生の鶏肉が好きなのでとても残念ですが、鶏肉を生で食べることは諦めた方が良さそうですね。生肉愛好家の方、可哀想ですが、諦めて安全を選択してください…
生肉による食中毒はどうやって防ぐの?
とっても簡単に防げるんです。肉に火をしっかり通してください。それだけです。では、どのぐらい火を通せばいいのでしょうか?その指標も厚生労働省は提供しています。肉の中心部に75℃以上を1分間以上加熱すればカンピロバクターは死んでしまうそうですよ!
さらに気をつけたいのが、生の状態の時にそのお肉を置いていた場所です。例えば、まな板の上で鶏肉を切ったとします。まな板を洗わずにその上でサラダを作るための野菜を切ったらどうでしょう?カンピロバクターがついた野菜のサラダができてしまいます。わかっていただけたでしょうか?調理の時は生のお肉をどこに置くのかということも考えて調理するように気をつけてくださいね!
加熱しても食中毒になるって本当?
ここまで生肉など加熱が中途半端な場合の食中毒について解説してきましたが、その解決法は加熱するということでしたよね。ところが、その加熱するという方法が効かないこともあるんですって!ど、どういうことなんでしょう?そのキーワードになってくるのが芽胞というものをつくるウエルシュ菌です。
このウエルシュ菌の芽胞というもの、実はウエルシュ菌の種みたいなものです。この芽胞から育つウエルシュ菌が食中毒を引き起こす現場が問題なんです。実は、それが、カレーなどのスープ系の料理なんです!
え!?思いっきり加熱してますけど!?えぇ、そうなんです、実は芽胞という細菌の種の状態は熱に強く、100℃で30分間加熱したところで殺すことができないんです。
みなさんカレーなど煮込んだ料理は殺菌されていると考えて、安心して常温で置いておくことが多いのですが、その常温で放置している時間が非常にまずいのです。どういうことかというと、煮込む時に芽胞で熱をやり過ごした細菌が、常温の時に細菌に戻ってしまうのだそうです。みなさんにとってカレーが栄養満点なのと同様に、細菌にとってぬるい温度のカレーは栄養満点、まるで楽園です。それはもうザクザクと増えていってしまうのです。
芽胞になる細菌による食中毒は防げないの?
加熱を耐え抜いてしまう芽胞をつくるウエルシュ菌は、細菌の状態では加熱で死にます。つまり、煮込んだ後、暑い状態で小分けして冷凍庫または冷蔵庫に入れてしまうことで、常温の時間を短くすることが重要です。そうして保存した料理は、食べる直前に電子レンジなどで加熱をして、早めに食べきってしまえばいいのです。
まとめ
- 生肉の調理には気をつけてよく加熱する
- カレーなどの煮込む系の料理は小分けして、熱いうちに冷蔵庫・冷凍庫に保存する
さぁ、今回のお話を参考にすれば、真夏の暑い中でも鶏肉のカレーを美味しく安全に食べることができるわけです!ぜひ、汗をかきながら美味しいカレーを食べてください!