「引越しうつ」・・・正式名称ではありませんが、そう呼び名がつくほど引越しのさいに発症する確率が高い症状なのです。
引越しには、自分から進んで夢と希望を胸に抱えて新しい地域へ足を踏み入れる事もあれば、出来れば行きたくないのに家族の都合などでどうしても行かなくてはならない事もありますよね。
引っ越しうつ・・・と言うと嫌々行った人がなるだろうと思いますが、実はどちらの引っ越しでも起こりうる症状なんです。自分から進んで行っても?とちょっと不思議に思いますね。
そこで今回は、誰にでも起こり得る「引越しうつ」について解説いたします。
どんなことが原因となっているのか、引っ越しの予定のある人は自分や家族が陥らないために、また予定のない人は、近所に引っ越してきた人が陥らないように助力の参考にしてみてください。
女性に多い「引越しうつ!」なりやすい人とは?
今住んでいるところの挨拶回りに引っ越しの荷造り、引っ越し屋さんの予約や役所への届けがあると思えば、新居の受け入れ態勢も整えなくてはなりません。ドタバタと忙しく過ごして、何とか新居へ移り住むことが出来るとホッとしますね。このホッとした時が「引越しうつ」のトリガーとなります。
自分を取り囲んでいてくれた物事や人々はいなくなり、新しい土地で自分が受け入れてもらえるのか・・・馴染むことができるのか・・・不安が大きくなり身動きが取れなくなってしまうのです。
引越しうつになりやすい人・・・これは友好的、社交的な性格と、家族の状況など身の置かれた状態が大きく作用するようです。
明るく社交的だからこそ、早く馴染もうと頑張りすぎる傾向があり、引越しで体が疲れている上に、心までもが疲れてしまいますよ。
長年住み慣れた土地からの引越し
生まれた時から同じところに住み続けている人は、引越す事で見の周りの物事や人々をすべて失ったように感じてしまいます。
今、あそこにいるみんなは何をしているだろう・・・と考えると「自分は一人ぼっちだ」と感じてしまいます。その気持ちが大きく膨らむと「自分なんかいなくたって誰も困らないんだ・・・」と疎外感が生まれてしまいより一層孤独を感じます。
専業主婦の状態での引越し
夫や子供を見送り、新居に一人になると「みんな新しい居場所があるんだ・・・」と感じ、自分だけ取り残されてしまったと思ってしまいます。
パートやアルバイト、またはフルタイムでの仕事を辞めて引越した時など、特に居場所がなくなったように感じてしまいます。引っ越し先でもすぐに仕事を始めた主婦に発症が少ないため、自宅に一人で留まる事が原因だとわかります。
仲良しの友人やママ友がたくさんいた人の引越し
1本の連絡ですぐに会えていた友達がいたり、仲良しのママ友たちとグループLineなどをしていると、自分だけみんなと会えない状況であることが徐々に心を締め付けていきます。
今はLineなどでみんなといつでも連絡が取れますが、その分自分以外の人たちが何をしているか良く分かってしまいます。だんだん話に入れなくなり、Lineも傍観者となってしまい疎外感を感じます。
自分はどうしてここにいるんだろう・・・と自分の運命を受け入れられなくなってきます。
住みたかった街への引越し
以前に訪れた街を気に入り、家族で移住を決断する人たちが増えています。南の島や都会には無い広い大地を求めて今までとまったく違う人生を送ろうと決心して移住する人も多いですね。
運命を感じ、魅力に憑りつかれるように大好きな街が出来ると、自分が好きな街には良い人たちばかりが住んでいると勝手に解釈してしまいがちです。
いざ引越すと、生活は現実味を帯びて、理想ばかりではなくなります。集合住宅などでは感じの悪い人も住んでいるし、みんながニコニコと笑顔を返してくれるとは限りません。
すると、一気に熱が冷め、「これじゃ前に住んでいたところと同じ・・・」と感じ、自分が選んだ道を後悔し始めてしまいます。しかも周りは知らなかったしきたりや風習が多く、知らないのは自分だけだと孤独を感じます。
引越しうつはどんな症状?家族は大丈夫?
引越しうつの始まりは「あれ元気ないな」「引越し疲れかな」と言うところから始まります。2~3日しても様子がおかしい時は、引越しうつを考えたほうが良いです。
その症状は徐々に悪くなり、ピークを迎えてその後徐々に落ち着きを取り戻していくことが多いです。
引越しうつの症状
- 引越しのの荷物がいつまでも片付かない(片付けようとしない)
- 朝起きてこなくなる
- 物欲や意欲が低下する
- 食事の支度をしなくなる
- 外出したがらない
- 家事全般を怠る
- すぐに涙が出てくる
- 笑わない
これらは、自分では良くわからないうちに悪化しますが、家族がいる時は指摘されることで気が付きます。
家族が「引越しうつ」に!引越しうつの対策とは?
妻の様子がおかしい・・・お母さんがいつもと違う・・・などと感じたら、疎外感や孤独感を溶きほどいてあげましょう。休日に新居周辺を家族で散歩したり、新しいスーパーで買い物をするなど、「一人ではないよ」と感じさせてあげましょう。
もともと友好的、社交的な人ほど陥りやすいので、いずれ新しい土地でも友達や知り合いが出来て行きます。「自力で元気を取り戻す」と言う根拠はここにあります。
引越しうつになりやすい人ほど、新しい土地でも楽しく生活していける人なのです。家族は温かく見守り、新しい世界が切り開かれるのをゆっくり待ちましょう。
まとめ
引越しで忙しくしていると、「寂しがっていられない」と感情を押し殺してしまいます。すると、引越して一人になったとたんに、その気持ちが溢れてコントロールできなくなってしまうのです。
新しい土地での生活は不安がたくさんありますね。知らない土地に引越すと誰しもが感じる感情なのです。
引越しうつは友好的、社交的な人が陥りやすいため、徐々に自分の生活が成り立ってくると、また元気に戻る事が多いです。
家族や知り合い、近所に越してきた人がいる場合は、声をかけて「一人ではない」と感じさせてあげましょう。
参考:引越ししたら寂しい・・・そんな孤独感から抜ける方法7選