家の中なら問題ないのですが、外出じにティッシュがないがために鼻水が出てきた時に「ずるずる〜っ!!」とやってしまうのはこの振る舞いは恥ずかしいのではないのでしょうか。
しかし、この鼻水、じつは単なる鼻水ではなくて蓄膿症が原因でかもしれませんよ!というわけで今回は蓄膿症の症状と原因、合わせて対策や治療法まで紹介しますね。
虫歯や風邪が原因で蓄膿症!?
虫歯というのは、虫歯を引き起こす様々な細菌が歯にくっついていることにより進行します。
この歯の根っこは詳細は後述しますが、蓄膿症が発生する部位である副鼻腔の4つある部屋のうちの一つである上顎洞(じょうがくどう)に非常に近くにあるため、虫歯が進行するなどして上顎洞に虫歯の細菌が入ることで炎症が起こることがあります。
ほかにも歯周病など細菌が原因で起こる歯の病気全般にも当てはまります。
次に、風邪が原因で蓄膿症になる場合を説明します。私達が風邪にかかっている時、身体は細菌やウイルスと白血球が戦っています。戦う場所は身体の様々な場所なのですが、副鼻腔がひとたび戦場となればそこで炎症が起き、結果として蓄膿症に進行する可能性があります。
蓄膿症の症状や原因を詳しく確認しましょう
蓄膿症は正しくは慢性副鼻腔炎というものになります。名前から想像がつくように鼻に膿がたまり、副鼻腔という場所が慢性的に(日常的に)炎症を起こす、という症状です。
膿がたまることによって、年間を通して鼻が詰まっていたり、鼻をかんでもかんでもかみたりない気持ちがしたり、ネバネバした鼻水が喉の方に降りてくる、鼻や口から膿のせいで嫌な匂いがする、鼻声になる、ボーっとする、ドロドロした黄緑色の鼻水が出る、重症化すると鼻に痛みが生じたり、頭痛がしたりと多彩な症状があります。
次の項でより細かな発症のメカニズムを見ていきましょう。
副鼻腔では何が起こっているの?
蓄膿症を理解するために、実際に副鼻腔という部分では何が起こっているのかを紹介していきますね。そのためにもまず副鼻腔の役割を知っておく必要があります。
副鼻腔とは鼻から空気を吸った時に空気が喉に行き渡るまでに通る小部屋のことで、それは4つに分かれています。4つの小部屋は空気が入ってきた時に細菌を除去し、湿っぽくしたり温めたり、声を発するときに共鳴の作用をするそうです。
副鼻腔は鼻の穴の入り口から喉まですべて通路でつながっています。この通路や小部屋の壁は粘膜で出来ていて一日で合計1リットルほどの鼻水を分泌するそうです。
鼻水は透明でさらさらなものや、少し白色でネバネバしているもの、黄色から黄緑色でベトベトしているものの3種類の形状があります。透明でさらさらな鼻水は急性鼻炎やアレルギー性鼻炎で出るもので、白色でネバネバしているものは慢性鼻炎や副鼻腔炎で見られます。
黄色や黄緑色などの鼻水は細菌や白血球の含まれているために色がついており、これは身体が細菌と戦っている証拠で膿と呼ばれるものになります。
蓄膿症はこの副鼻腔の通路が詰まってしまうことで、黄色や黄緑色の鼻水が副鼻腔内にたまったままになることで炎症が引き起こされるというわけですが、黄色や黄緑色の鼻水はウイルスの死骸を豊富に含んでいることから炎症を引き起こし、症状を激しくしがちで、そのために副鼻腔で炎症がひどくなってしまいます。その結果上で挙げたような症状が起きてしまうのです。
なんで副鼻腔がつまるの?
さて、副鼻腔が詰まって炎症を引き起こす有害な鼻水がたまってしまうことで炎症が起きると説明しましたが、そもそも副鼻腔が詰まってしまう原因は何でしょうか?その原因とは、何らかの原因で副鼻腔に炎症が起きて、通路の壁が腫れて鼻水が通行不能になることです。
たとえば、アレルギー性の鼻炎やポリープができることによって炎症が起きて通路を塞いでしまうと、有害な鼻水が溜まって炎症を悪化させて、という悪循環ですね。
この鼻水は細菌と戦ったあとのウイルスや白血球の死骸でできていると説明しましたが、これ以外にも今回のメインテーマである虫歯や風邪が原因で蓄膿症になることが知られています。
蓄膿症の治療法には何があるの?
蓄膿症の原因は細菌やウイルスによる炎症が副鼻腔で起こっていることにあります。つまりこの細菌やウイルスを外に排出してやればよく、細菌やウイルスを無力化したり、つまらないようにしてやればよいわけです。以下のような治療があります。
- 細菌などの炎症の元を外に出すために鼻水を吸引したり、副鼻腔を洗浄する
- 細菌などを無力化するために細菌と戦う白血球を援護する薬を噴霧器で副鼻腔に送る
- 細菌を弱めるための薬を服用する
- 鼻水が詰まらないようにするために副鼻腔の通路を広げる手術をする
初期の段階であればたいていは手術せずとも完治することができますが、進んでしまった場合手術が必要になる場合があります。現在は医療の発展により、内視鏡を用いた手術では身体的負担はかるいようです。
この場合入院不要で日帰りできるものもあります。最近では、マクロライド系抗菌薬という薬があり、副鼻腔炎をコントロールすることもできるそうなのでおためしあれ。
まとめ
蓄膿症は何らかの原因で副鼻腔に炎症ができて鼻水が出る通路が塞がることによって発症してしまいます。
原因には鼻炎などもありますが、虫歯や風邪なども原因となるので、歯磨きをしっかりする、生活習慣を改めて風邪に強い身体を作る、といったような対策をすることで蓄膿症になる可能性を減らすことができます。