賃貸物件には必ず「違約金」があります。これは、借主が注意していればほとんどの場合は回避することが出来るのですが、どこからどこまで注意すれば良いのか良くわかりませんよね。
契約する時には、必ず「契約書・重要事項説明書」に目を通して内容を把握しておくようにしましょう。
違約金の判断基準は概ね「社会通念上」のものとして成り立っています。独立したら、社会人としてある程度の判断力が必要だと言うことです。
そこで今回は、賃貸で違約金が発生しないように注意するべきことについて解説いたします。
賃貸物件の違約金ってどう言うもの?
違約金とは、その名の通り「約束と違うじゃないか!その分お金で賠償してくれ!」と言うものです。
そのため、大切なのは最初の「約束」です。
参考:一人暮らしでペット禁止なのに飼っている場合の退去費用は?
賃貸の約束事はすべて「契約書・重要事項説明書」に書いてあります。「書いてないけどこの場合はお金払ってください」と言う事は絶対にあり得ません。
だからこそ、借りる時はきちんと契約書類に目を通す必要があるのです。
「違約金」に関しては、「用途・利用制限」と「違約金・損害賠償について」に書かれていると思いますが、しっかりとした不動産業者の契約書類には、備考欄に法的な記述をわかりやすく説明して書いてあります。
「用途・利用制限」については、
- 住居用以外の使用用途変更禁止
- ペット飼育禁止
- 重量物(ピアノ・金庫)禁止
- 石油ストーブ禁止
などが、良く見られます。
もっと細かく決められているところもあるかもしれませんので、必ず読みましょう。これらの約束を破った場合は、それによって準じた損害賠償金と違約金が発生します。元の状態に戻すための代金と、ルール違反を犯した罰金と言う感じです。
「違約金・損害賠償」については、「借主・その家族・訪問者の故意や過失いよる物件への損害はその都度損害賠償を求める」と言う内容が書かれています。
この場合の「故意」とか「過失」が何を指すのかは、この時点では具体的には書かれていません。
そこで重要なのが「社会通念上」と言うことです。一般常識的に当てはまる考えで違約となるかどうかを判断しますが、これもまた抽象的な記述ですね。そのため、借り手と貸し手がもめて実際に裁判になることもあります。
ただし、本来賃貸契約そのものが、「善管注意義務」に則って成り立っているので借りる側が良く注意するしかありません。この善管注意義務とは「借主は貸主の建物を使用させてもらうんだから、注意して使用するべき義務」と言うものです。
違約金が発生する具体的な故意・過失とは?
一番良く聞くのが「隠れペット飼育」です。ダメだとは聞いていても、捨て猫を保護してしまった時などは手放せなくなってしまいますよね。どんな事情であれ、「ペット飼育禁止」の賃貸であれば違約には間違いありません。
そのため、そんな時はすぐに大家さんに相談してみるのが1番です。里親探しや動物愛護団体に預けるなど、保護した動物の行き先が見つかるまでの間だけでも部屋に入れても良いか相談してみましょう。
参考:賃貸の部屋の壁に穴は開けても大丈夫?どこまで許されるの?
何も言わずに隠していると、故意に契約違反をしたと思われてしまいます。
「ペット飼育禁止!もしも飼ったら50万円を違約金として支払う!」などと具体的な記述があれば違約金になりますが、ただ「ペット飼育禁止」と決められている場合は、実際に貸主が被る被害総額を金額にして、「損害賠償請求」と言う形で請求されます。
部屋についた動物臭の消臭やキズがついた壁や柱の修復、それらの作業が終わるまで次の借り手を探せないので、その分の賠償などを入れると、最悪の場合は100万円近い金額にも及んでしまうこともあります。
また、部屋の壁に穴を開けるなども問題です。突っ張り棒などで多少跡がついてしまったなどは、話し合いで解決できることがほとんどですが、酔っぱらってぶつかって穴を開けたり、家具をぶつけて壁や柱に傷をつけたりすることは、違約金=損害賠償の対象です。
ゴミを溜めたり、虫やカビを大量に発生させたりすることも同じです。契約書内に「通気や換気を怠らず、清潔に使用する!」というような1文があるかと思いますので、約束違反となりそれに応じた金額を請求されます。
注意が必要な社会通念とは?大人として考える!
まず、間違えてはいけないのが、お金を払っているのだから何をしても良いわけではないと言うことです。
賃貸は、家賃を払いながらも住み続ける間は「貸してもらっている」と言う意識を無くしてはいけません。他人の家なので、自分の家以上に注意深く生活しなくてはならないのです。
契約書や重要事項説明書などに書いてある事を守るのは当たり前ですが、人から借りたものを勝手に形を変えたり、色を変えたりしてはいけませんよね。
住み始めはみんなキレイにして約束をまもっているのですが、徐々に住み慣れてくるとまるで自分の家と勘違いしているかのような人もいるのです。
不潔にして虫が湧いてしまった場合などは、1棟丸ごと駆除や殺虫剤を撒く必要が出て来てしまい、それをすべて損害賠償金として請求される事があります。ゴミの捨て方なども要注意です。
まとめ
賃貸契約には、必ず違約金が決められています。
故意や過失によって約束を破った場合は、違約金=損害賠償金を払わなくてはなりません。
不当な請求の場合は、払う必要はないので弁護士や市役所、消費者センターなどに相談していると良いです。
賃貸契約の時は、契約書・重要事項説明書などの書類は必ず読み、把握する必要があります。
具体的に利用制限として記述があるものから、社会通念上と言う一般常識に則って決められる損害賠償もあるので、「自分の家ではない!」と言う意識をいつまでも持ち続けなくてはいけません。
参考:賃貸マンションを借りる時・退去時に注意したい事まとめ【随時更新】