単身赴任=離婚。こんな発想が浮かんでしまうのは、残念ながら実際にとても多いケースと言えるためです。
家族のために単身寂しく旅立ち必死で働く・・・、家族を守りながら帰りを待つ・・・お互いに始めは一緒に乗り越えようとしていたはずです。
今回は、単身赴任に多い離婚問題に切り込んでみましょう。一番多い原因が何なのかわかれば、最悪の事態を回避することができるかもしれません。
単身赴任の離婚は多い?原因は?
日本では3組に1組が離婚しています。この数値は近年横ばいですが、ファミリータイプの集合住宅に住んでいるならば、この中の1/3はいずれ離婚するの?と考えると改めてすごい離婚率だと思いませんか。
また、単身赴任率の方を見てみると、近年は増加の一途です。以前は子供が小学生くらいのうちは家族で引っ越し「転勤族」などと言われましたが、最近では子供の生活を重視してお父さんが単身赴任することが多いですよね。
離婚率は数年横ばい状態の中、単身赴任の数が増えていると言う事は、単身赴任している夫婦に離婚が増えているのは間違いないと言うことになるでしょう。
離婚の原因や苦しみは人それぞれ違いますが、次のように大きく分けて考えることはできそうです。
- 相手の浮気が許せない
- 相手の必要性を感じなくなった
- どちらかが違うパートナーをみつけた
- 単身赴任がキッカケになった
自分の夫婦関係に起こりそうな心配はありますか?それぞれ離婚に至るまでの経過を見てみましょう。
単身赴任の離婚原因~相手の浮気が許せない~
単身赴任で別れて暮らすようになると、「一人の孤独感」や「一人の解放感」など、家族とともに過ごしていた時とは違う感情がこみ上げてきます。
その感情を処理するために、「浮気」と言う手段をとってしまうケースはとても多いのです。「寂しかったから・・・」や「魔が差した・・・」などは言い訳にすぎず、バレたからには相手に許しを請うしかありません。
単身赴任先の夫が浮気をする確率は80%以上、自宅に留まっている妻の浮気は40%以上とも言われているので、お互いに心配しないわけにはいきませんね。
単身赴任は給料から持ち出しが出る事も多々あり、一生懸命やり繰りしている妻にしてみたら、「浮気のために家族のお金を使っていたのか」と怒りが込み上げますよね。
妻の浮気が発覚した時は、「自分は一人寂しく必死で働いているのにどう言うことだ!」と怒るのも当然です。
この浮気が「気の迷い」や「魔が差したもの」として許せるか許せないかは、夫婦で一緒にいる間に築いた絆や存在価値がカギとなりそうです。
単身赴任の離婚原因~相手の必要性を感じない~
離れて暮らしていると、夫婦のうち片方がいない生活が普通になり「存在」までもが薄れてきてしまいます。
帰省した時に、夫は何となく居心地が悪かったり、妻にしてもたまに会う夫の世話を面倒に感じてしまう事もあります。こうなってくると、「帰りたくない」と「帰って来なくていい」とお互いの気持ちが離れて行きます。
特に自宅に留まっている妻が仕事を持っている場合などは、経済的にも自立できる自信があるため離婚にいたる確率は高いです。実際に、単身赴任するとお給料からの持ち出しが増えることが多々あるため、夫の給料にありがたみを感じなくなってしまう事もあります。
また、子供がいると母子だけの生活が成り立ってしまい、父親としての必要性が薄れてしまいます。離れていても何でも相談し合い、妻と子供がどんな状況でいるか常に知る努力が必要ですよ。
連絡が途絶えがちになると、一から説明するのも面倒になってしまうものです。こまめに連絡し合うことは何よりも大切ですね。
単身赴任の離婚原因~違うパートナーを見つけた~
突然、「結婚したい人が出来たから離婚して」なんて言われたら、目の前が真っ暗になってしまいますよね。これは、離れている相手より、近くにいてくれる人を大切に思えてしまうんです。この感情になるのは単身赴任が始まってからの「寂しさ」が影響しています。
単身赴任している夫にしたら、「一緒に付いて来てくれなかった家族」より、常に一緒にいてくれる相手が愛しくなり、妻は「家族を置いて好き勝手している夫」より、目の前で話を聞いてくれる人が愛しくなります。
ただの浮気とはまったく違うので、片方がパートナーを見つけてしまった場合は、離婚しないことには新しい生活は始まりません。そのため夫婦間でもめるのは必至、調停離婚となることが多いです。
単身赴任の離婚原因~単身赴任がキッカケに~
3組に1組が離婚しているので、単身赴任していなくても離婚していたのでは?と思える夫婦もたくさんいるのです。すでに心が離れかけている事は感じ始めていても、お互いに言いだせないままの生活を送っている時の夫の転勤は確実に単身赴任となるでしょう。
子供の生活を重視したいと言うのも本心ですが、自分自身も今の生活を捨ててまで夫についていきたくないと感じてしまいます。ところが以外にも、夫婦生活がうまくいっていなかった夫婦ほど、単身赴任になるとそのまま離婚せずに過ごしてしまうケースが多いのです。
心が離れかけている時に距離まで離れると、夫婦と言う意識は薄れて「男性」と「女性」として見れるようになります。
もちろんここで終止符を打つこともありますが、反対に相手の言葉や行動を新鮮に感じられるようになり、わざわざ離婚はせずに、離れた状態のまま上手く付き合っていけるようになります。
距離を置くからこそ会った時だけ優しくなれたり、離れているからこそ愛しく思える、と言う夫婦も多いようですよ。
まとめ
単身赴任の離婚は多いのです。距離が離れると、心の距離もひらいてしまうことが多いようです。
夫婦の別居は「孤独」とともに「解放感」も湧いてきます。一時の気の迷いや魔が差す行動は、相手に許してもらえるとは限りません。つまらない事で大切な家族を失う事の無いようにしましょう。
誰にとっても「大切な一度きりの人生」であることに違いはありません。イタズラに傷つけることの無いように、相手を尊重して行動、また決断をしなくてはなりませんね。
みんな「悔いのない一生」を送りたいのは同じなのです。離れた相手に思いやりを忘れない生活を心がけていきましょう。